アメリカを主に社会不安障害を患っていると公言している有名人は結構たくさんいる。
芸能人は特に多い。
バーブラ・ストライサンド (歌手・女優)
1967年、ニューヨークのセントラルパークでのコンサートで、ステージ上で歌っているときに歌詞を忘れてしまった。それを契機に発症。
以後、30年近く、ステージで歌えなくなる。薬物療法、セラピー等の治療を経て、1994年にライブコンサートを行う。現在も不安障害と闘っている。

…私は自分についての良い批評は覚えてない。悪い批評は覚えてる。悪い批評は心にとどまる。
いわゆるメンタルフィルター。才能のある歌手なのだから、成功体験がたくさんあるはずなのに。失敗しか心に残らなかったのか。
恥ずかしい思いをすることへの恐怖にいちど囚われると、もうそこから抜け出せない。それはまるで奇妙で恐ろしい非現実が、慣れ親しみ安全であった現実にとって替ってしまったみたい。このパニックから脱出するなんて無理だって思ってしまう。
パニック発作が起こると、なんの対抗するする術もなく、力なく呑まれていくしかないというあの恐怖感....よくわかる。
ショービジネスに属する者として、この障害のことをカミングアウトするのは恥ずかしかった。(中略)
(社会不安障害を患っているのは)あなたはひとりじゃないこと、ほかにも苦しんできた人がいることを知るのがどれだけ大切かは言いつくせないほどだ。
ジョナサン・ナイト (元ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの歌手)
ニューキッズのことすべてがクレイジーだった。大きくなればなるほど、僕は囚われた気分になった。常に緊張していろいろな場面を恐れているのを僕は常に心の中で感じていた。最も大変だったのはインタビュー、トークショー、写真撮影、スタジオにいること。理由はたくさんの人と一緒にいるからっていうだけだ。震えて、心臓がどかどか鳴り始め、口が乾いてくる。自分にとって最も楽だったのは、そんな場面をただ避けること。

芸能人で社会不安障害。仕事はすべて人前に出ること。これは、地獄かもしれない。
ジェイミー・ブライス (タレント: リアリティー番組 ”The Bachelorette” 最終選考出場者)
それはある日突然起こった。1994年9月29日午前10時30分、最初のパニック発作を起こし、それからは僕の人生すべてが変わった。それは恐怖症となった。というのは、そのときだれもそれが何だったのか分からなかったし、僕も何だったのか分からなかったし、それに変人だと思われるのが怖くて人に言えなかったからだ。
僕の人生すべてが変わった。それは恐怖症となった。というのは、そのときだれもそれが何だったのか分からなかったし、僕も何だったのか分からなかったし、それに変人だと思われるのが怖くて人に言えなかったからだ。
恐怖に対する恐怖から恐怖症になった――授業へ出席できない、デートに行かれない、親友の家に行かれない――何もできなくなってしまったんだ。
恐怖への恐怖。震えることへの恐怖。不安発作への恐怖。そんなふうにして不安対象は広がっていく。
社会不安障害治療記: ”Fear is No Longer My Reality” を出版。
キム・ベイシンガー (女優)
ハリウッド女優。ゴールデングローブ賞 助演女優賞、アカデミー助演女優賞を受賞。パニック発作、広場恐怖症、社会不安障害を患う。
ローレンス・オリヴィエ (イギリスの俳優 アカデミー主演男優賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞受賞)
五年間の社会不安障害闘病を自伝に発表。
1964年、『オセロ』出演中に突然発病。舞台に立つことに強い恐怖を抱くようになる。
疲労のために台詞を忘れてしまうのではないかと強い不安に襲われた。以来、舞台に際して同様の不安に襲われ続ける。
視線恐怖も大きかったようで、演技をしているときに、「自分の目を見るな、気が散るから」と視線を向けないよう監督に頼んだりしていた。

ついでに、ビビアン・リーの愛人となり、のちにふたりは再婚する。
