学会に参加していた間に、いちどだけ不安が起こった。
ある発表を聞いていて、質問タイムになったときのことだ。
私はその日頓服を飲んでいなかったが、平気そうな気がしたのと、質問したいことがあったのとで、手を挙げて質問を始めた。
言葉を5単語ほど発したあと、それは起こった。そう、不安が湧き上がってきたのだ。きたな、不安発作。
そこで、認知行動療法で習ったように、言葉を止めて、息をゆっくりと吐き、同時に肩にかかった力を抜いていった。
すると楽になってきたので、安心して、言葉を続けた。
三秒間ほど黙っていましたが、その程度黙っていることは誰にでもあることで、なにもおかしな感じはなかった。
不安が出てきた途端に呼吸を整え肩の力を抜いたのがよかったのか。
以前だったら、そのまましゃべり続け、声を震わせてしまい、そのまま不安発作に完全に巻き込まれ自滅していたところだ。
頓服を飲まなくてもコントロールできた。
そのことは大きな自信につながった。