セラピーを受け始めて、私は自分に向けられた誉め言葉や好意はすぐに拒絶してしまう癖があることに気がついた。
「よくできてますね」と言われても、「いやあ、こんなの」と言って、誉められたことすらその場で忘れてしまう。
大人だから、誉められても否定していいってことでしょうか。人の好意は必要ないってことでしょうか。受け止めなくていいってことでしょうか。
そんなことないだろう。
大人だって心をもっている。
大人の心だって栄養が必要だ。
人の好意はしっかり受け止めて、心の栄養としていかなければ精神的にもたなくなる、と考えてもいいかもしれない。
私は、自分をいじめる言葉を自分に対して発するくせに、人が好意で私に向けてくれた言葉は無視してしまっていた。私は褒められるのがどうも苦手なのだ。
褒められても、とりあえず、ありがとう、とか言って、そのまま忘れてしまっていた。
それって、よく考えてみればひどいよな。
だって、人は私が元気になるように、もっと頑張れるように、もっと幸せになれるように、好意的な言葉をかけてくれるのに、まるでもらった途端に、ごみ箱に捨ててしまうような行為。
人の好意はしっかり受け止めなければ。それが礼儀なのだろう。
しっかり受け止めて、しっかり消化して、心の栄養に変えて、自分をさらに向上させる力に変えなければ、誉め言葉を無駄にしてもったいない。そして申し訳ない。