抗不安剤は社会不安障害に有用なのか

私は頓服としている抗不安剤はアルプラゾラムという成分のもの。

私にとってはアルプラゾラムを投入して効かないということを経験したことはない。ほんの15分くらいで効き始め、30分後くらいにはほとんど不安感は消える。

ただ、これを飲めば社会不安障害が治るという種類の薬ではなく、一時的に症状をなくすための、あくまで頓服の薬。

私は時々しか使わない。

というのは、この薬はあまり頻繁に使ってしまうと依存症になってしまう危険をはらんでいるからだ。だから、本当に必要なとき、決して失敗できないイベントのときなどしか使わない。

逆に言えば、気をつけて上手に使うなら、さほど怖がらなくてもいいのではとも思う。

だって不安発作っていうのは、それ自体ものすごく体に負担がかかる。

私の場合、不安発作を起こしてしまったら、長いこと体調を悪くして過ごす。

3週間くらいは体の不調は続く。胃腸の調子が悪くなるし、肩は凝るし、体の筋肉が張ったような感じになるし、体全般あちこちの調子が悪くなっていくような感じ。

発作が心のみのダメージに留まらず、ものすごく体の負担になってしまったのだと実感する。

精神面の負担:トラウマ化してしまうことは、それはそれで深刻なものである。

発作を起こしてしまったことを思い悩み、夜も眠れなくなってくる。どんどんマイナス思考になり、もう絶対に社会不安障害から抜け出せないのだと考え始め、生活を続けるうえでひどく支障がでてくる。

発表しているとき体中ががくがく震え頭が真っ白になって死んでしまいそうな気分を味わって、それが心のトラウマになり、社会不安障害を悪化させ、そのせいでまた体も壊してしまうよりは、頓服薬の抗不安剤を上手に利用したい。

また、これは持っているだけで安心と言うか、お守りのような安心感を与えてくれる。ものすごく大きな責任ある仕事を任されてしまった瞬間、「そんなの不安障害の自分にはできない!」と一瞬思っても、いや待てよ、抗不安剤も一応持っているのだし何とかなるかもしれない、と思える。

現実にはオーストラリアではベンゾジアゼピン系の抗不安剤はなかなか処方してもらえず(依存症のリスクを避けるため)、認知行動療法が社会不安障害治療の第一選択肢であるのだが、私としてはやはり念のため持っていたい薬である。

 

投稿者: administrator

Mental health blogger, researcher, social anxiety/selective mutism survivor.